私はかつて技術書を何冊か書いた身で、初校とか初校戻しとか再校とか校了とかいう言葉を何度も目にしたことがあったりします(もうすべて絶版または販売終了になってるけど)。
ある一冊の本が校了になるまでの過程において、編集さんとのやりとりで「リライト」という言葉が出てきたんですよね。
早い話が、「この原稿はゴミ以下なので差し戻し。ちゃんとリライト(書き直)してくださいね(にっこり」という感じ? 実際にはそんなにはっきりと私に伝えず、ある程度オブラートかけてやんわりと言われましたけど。
最初にその言葉を目にしたとき、「リライトって何?」ってその定義についてあえて編集さんには聞いたことなかったですけど、文脈からそう受け取れました。英語力もそれなりにあったから、書き直せってことなんだな、ってすぐにわかったから、ということですけど。
そのとき以来、「リライト」というのは、自分で書いた原稿とかテキストが使えないからちゃんと自分で書き直せ、という意味だと解釈しています。
しかし、ここ最近、自分で書いたものじゃないのに「リライト」という言葉が使われていることに気づいたのです。
─それはまさしくキュレーションメディア、もとい、パクリメディア業界です。
クラウドワークスやらランサーズやらよくわかんないですけど、他人が書いた記事をもとにリライトしてくださいという依頼があるとか?
すみません、私、意味が分からないです。
とはいえ、実質サルでもできる作業をしているだけのようで、話の流れは本家そのものです。「です・ます」調に変えるとか、そんなノリ?
他人が書いた記事をもとに書き直す行為は、そのライターとやり取りしている編集さんならOKだと思うんですよ。しかし、本家サイトの運営者またはブログの作者(著作者)の許可なしで、勝手にパクってくださいね、ということなんですか?
まあ、クラウドワークスとかランサーズで目先の報酬しか目がない人たちは、その依頼内容を疑うことなく、ただ言われたことは正しいと思い込んでそのままひょひょいとやっちゃうんですよね。自分でブログなりサイトなり立ち上げて収益化したほうが長い目で見たらリターンが高いのにね、って思います。たしかに、ちゃんと結果が出るまで時間がかかりますけど、本当に目先の小さなお金にしか目がないってとても残念でなりません。
で、ネット上で「リライトなしです」とかいう言い回しを最近見かけたりするんですけど、「え、その人って出版業界のプロのライターで、編集さんとやり取りなんかしてる…というわけでもないのに、なんでそんな言葉使うんだろう」って思うわけですよ。
ひょっとして、私の認識が間違っているのでしょうか? 誰か教えてください。